2016年7月15日金曜日

熱抵抗値~断熱材で比べてみる②

こんにちは、鳥男(とりお)です。

引き続き断熱材の話です。今回は熱抵抗値という考え方について書きたいと思います。
前回の記事で「断熱材の種類には特にこだわらない」と結論をだした鳥男ですが、断熱性能については話が別です。

断熱材に求められるのは断熱~つまり熱を通さないことです。この熱の伝わり難さを数値で表したものが熱抵抗値Rです。熱抵抗値Rは各断熱材に固有の熱伝導率λ厚さt から求められ、数値が大きいほど熱が伝わり難い……つまり断熱性能が高いということになります。

熱抵抗値Rは以下の式で求められます。 
熱抵抗値R(m^2・ K/W)=厚さt(m)÷熱伝導率λ(W/m・k)

つまり厚さを熱伝導率で割ったものが熱抵抗値です。




熱伝導率は各断熱材メーカーのHPなどで確認できます。
鳥男が検討中の各社の断熱材はどうなっているかというと、


メーカー断熱材λ(W/m・k)
フォレストビーズ法ポリスチレン
フォーム(EPS)
0.034
一条 i-smart
ライフィット現場発泡吹き付け
ウレタン
0.038
アルプスピア
くみきハウス高性能グラスウール 14K
   〃   10K
0.038
0.043
コマツ住研高性能グラスウール 16K0.038
(※鳥男調べ)


断熱材単体の性能で見ればEPSが一番優秀であるため、これだけ見ると一条とフォレストがいいように思えますよね。
だけどちょっと待って!熱抵抗値には厚みも効いてくるのです。

各メーカーの断熱材の厚さtは以下のようになっています。


メーカー断熱材λ(W/m・k)t(mm)
フォレストEPS0.03465
一条 i-smart140+50
ライフィット吹付ウレタン0.03875
アルプスピア
くみきハウス高性能GW 14K
  〃  10K
0.038
0.043
105
(+50)
コマツ住研高性能GW 16K0.038100+100
(※鳥男調べ)


では実際に計算して見ましょう。
熱抵抗値R = 厚さt(m) ÷ 熱伝導率λ なので
例えばフォレストの場合は R=0.065(m)÷0.034=1.192 となります。

同様に計算して表を埋めるとこんな感じになります。


メーカー断熱材λ(W/m・k)t(mm)熱抵抗R
フォレストEPS0.034651.192
一条 i-smart140+505.588
ライフィット吹付ウレタン0.038751.974
アルプスピア
くみきハウス高性能GW 14K
  〃  10K
≒0.037?105
(+50)
2.838
コマツ住研高性能GW 16K0.038100+1005.263
(※鳥男調べ)


という訳で同じEPSを使用していても一条とフォレストでは大きく違う結果となりました。
いかに高性能な断熱材を使用していても厚さが薄ければ熱抵抗値は下がります。メーカーには断熱材の種類だけではなく、厚さも必ず確認して熱抵抗値を計算してみるようにしましょう。

最後にひとつだけ注意事項を。
厚さの計算をする際は、実際に断熱材が施工されている空間の厚さで計算します。つまり105mmの空間に150mm厚分のグラスウールを詰め込んでも厚さt=150mmとはならず、t=105mmのままということ。

コマツ住研は200mmの空間に100mm+100mmのグラスウール(λ=0.038)を入れているので、0.2➗0.038でR=5.263となりますが、

くみきハウスは105mmの空間に105mm+50mmのグラスウールなので厚さtは155mmではなく105mmのまま。その代わりに密度が変わるんじゃないかなぁと思われます。

ここから先は鳥男の推測なのですが、105mm(14K)+50mm(10K)のグラスウールが105mmの空間に収まるので、密度は擬似的に18.8Kくらいになるんじゃないかなぁ。ということは熱伝導率λは0.037程度と思われるので、熱抵抗値Rは2.838になるものと推定しました。


鳥男の場合、最終的な判断としては、
一条、コマツ住研
 言うことなしです!
くみき、ライフィット、アルプスピア
 くみきが一歩リードだけど及第点
フォレストコーポレーション
 ちょっと寒いかも…。

といった感じかな?ただし、フォレストの家は薪ストーブなので一概にそうとも言えないかもしれないけど。

熱抵抗値は便利な指標だけど、実際の断熱性能は気密性や適正な施工がなされているかによって変わってきます。また、家の暖かさは間取りや暖房方式によっても大きく左右されるので、その辺りも含めて総合的に判断しましょう。



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