前回の記事で、タカラスタンダードの設備機器の特長として二つ上げました。
一つ目はホーロー。キッチンもお風呂もとにかくホーロー推し!他社にはない独自の技術が魅力です。
そして二つ目が今回の内容である価格設定についてです。
住宅設備について調べているときによく耳にしたのが、
「タカラの設備機器は他社に比べて見積りが断然安い」
「ただしタカラは値引きしないので、最終的な支払価格は他メーカーと大差ない」
これはどういうことでしょう?
鳥男なりの考察を述べたいと思います。
以前書いたように、住宅設備機器メーカーのショールームは施主に対して定価の見積書しか作成しません。(住宅設備のショールームへ行こう! その①)
①施主はHM(工務店)に見積書を渡し、②HMが値引き交渉を含め設備機器メーカーから再度見積りを取得します。③それを元にHMが施主に対して見積書を発行する訳です。
この場合における①と③の価格差が施主から見た値引率になります。
例えば、施主が設備機器メーカーから取得した見積書①が100万円だったとします。最終的にHMから提示された見積書③が60万円だった場合、値引きは40万円。値引率にすると40%ですよね。
でも、ここで注意したいのが見積り②の存在です。
仮に見積書②が60万円だったとしましょう。この場合、見積書②と見積書③は同じ金額なので施主の支払った金額はそのまま設備機器メーカーに行くことになります。
しかし見積書②が50万円だった場合。見積書③は60万円なので差額の10万円をHMが上乗せしていることになります。つまり結果として施主はHMに10万円、設備メーカーに50万円支払っているということ。
HMが金額を上乗せしていること自体は悪いことではありません。施主に代わって、納期調整を行ったり、搬入の段取りを打ち合わせたり、設置工事や商品のキズや不具合に対して責任をもつわけですから。
問題はいくら上乗せしているか分からないこと!
HMや工務店によっては必要以上に金額を上乗せしている可能性もあるわけです。この見積りシステムは施主から見ればブラックボックス、HMから見れば儲けどころともいえます。
一般にTOTOやパナソニックの場合値引率は40~50%と言われているので、ショールームでもらった見積金額①とHM提示の見積金額③を見比べてそれに当てはまらなければHMが余分に上乗せしている可能性を考えた方がいいかも。
最終的な値引き交渉の際の手持ち札としてプールしているのかもしれませんね。施主から値引きを迫られた際にそこから差し引く。値引き要求がなければそのまま儲けに。といった感じかな?
さて、ではここでタカラスタンダードの見積方針に注目してみましょう。
前述の通りタカラは値引きをほとんどしない……つまり見積書①と見積書②は同価格ということになります。だからHMは無闇に金額を上乗せすることができません。いくら上乗せしたか施主にまるわかりだもんね。
言い方を変えると、タカラの機器はHMにとっては旨みの少ないメーカーと言えます。一方、施主にとってはデメリットなし!値引率が悪くても、もともと定価の価格設定が安いので、最終的な売価は他メーカーと同等ですから。
つまりタカラの設備機器を標準として採用しているHM、工務店は施主に対して良心的なところだと言えるんじゃないかな。設備機器の差額で利益を上げようとは考えてないってことだからね。
鳥男なりの結論としては
- タカラの機器は見積金額は安いが値引率が低いので、他メーカーと比べて特に安いわけではない
- ただしタカラの見積方針は施主のことを第一に考えたシステムと言える
- タカラの設備を薦めてくるHM、工務店は施主のことを考えて提案してくれている
なぜ他のメーカーがタカラと同様のシステムにしないのかは分かりませんが……建築業界、もちつもたれつということなのかな???
タカラはホーローという他社にはない独自の強みをもつメーカーだからこそ、そういった強気の姿勢を貫けるのかもしれません。
企業としては好感が持てますね。
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